メダロット×艦これSS 第三話「漁船救出大撃戦」

メダロット×艦これSS
第三話「漁船救出大拳戦
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メダロット×艦これSS第三話「漁船救出大撃戦」はこちらにあります
メダロット×艦これSS第二話「海底からの使者」はこちらにあります
メダロット×艦これSS第一話「海よ今日から戦いだ」はこちらからどうぞ


――『メダロット』、それは宇宙からの贈り物であり、
そして人類のあくなき探究心によって地球に降り立ったロボットである。
『ティンペット』と呼ばれる2種類の基本フレームに
太古の地層から発掘され、心と魂を持つ宇宙の神秘『メダル』を搭載。
さらに多種多様な『パーツ』を身に付けることで、一人の存在として確立されるのだ――

時は2145年。ココはビーチ・デル・ソル。灼熱の太陽が照る常夏の海岸。
今日も多くの子供達大人達が海と戯れ、それなりに賑やかなこの平和な日常。
だが、そんな日常に嵐が訪れた。海を荒らす『深棲ロボロボ艦隊』の登場である。
海底から現れた彼らはメダロットを送り込み、
このビーチ・デル・ソルで生活する人やメダロット達を襲い始めたのだ!!
この海を守る男「テイト」が深棲ロボロボ艦隊に単身立ち向かった時、
一人の少女と一人のメダロット…『艦娘』の「フブキ」と出会う。
彼女から「海を守る力」を授かり提督になったテイトは、
艦娘の指揮をしながら自ら前線に立ち、深棲ロボロボ艦隊とのロボトルに勝利する。
その後新たな艦娘「アカギ」と「クマ」を加えた最中のことだった。

「ほーれ、クマちゃんスパーイク!」
ベティベアの短い右袖マッシャーで叩かれるビーチボール。
「なんのっタツノコブロック!」
ラインぎりぎりで浜辺に落ちる所だった重力化ビーチボールを2機のタツノコビットが駆けつけはじき返した。
「マールちゃん、今です!」
「とぉーっ!」
ピンクの水着が眩しい女の子が大ジャンプ、
黄色の髪をなびかせて、ボールをクマに向かって叩きこんだ。
「!」
直撃寸前、頭のアホ毛をかすめながらクマの後ろに落ちたビーチボール。
コートの外には出ていなかった。
「やーったぁ!メイちゃんのおかげだよーっ」
ハイタッチする『マール』と彼女の相方、メイティンのパーツをつけた『メイ』。
「むむむ、このクマがまたもや負けてしまうとは…」
「あれくらいの弾速に反応できないと実戦ではやっていけないクマ」
「視野角外だったクマ!真正面から来た弾なら避けていたクマ!」
「ビーチバレーで球を避けちゃ意味ないクマ」

「遊ぶのもいいけど、少しは海岸の見回りもしてくれ……」
監視台に座っているテイトがクマに言った。
「クマはもう午前の巡回を済ませたクマー」
「ゴミ拾いだって終わらせたからお昼まで遊ぶクマ!」
「つってもいつ深棲ロボロボ艦の奴らが来るか分からないんだし」
そうテイトが言いかけた時、マールが言った。
「でもクマおねーちゃんやフブキおねーちゃん、
アカギおねーさんがやっつけてくれるんでしょ!」
「そークマ!だから大船に乗ったつもりで遊べるクマ」
自信満々に言うピンクのベティベア。
もう一方のクマも合わせて右胸に握り拳を置く。
「俺も戦うんだけどな」
やれやれという感じのテイト。
自分の拠り所を脅かす存在の登場、そして戦い。海を守る力としての責務。
ロボロボ艦が来る以前ならば海上保安官としての仕事の一例として、
ビーチ・デル・ソルでもごくたまにある台風などの自然災害時に、
浜辺や港町「ベント・デル・マーレ」の人たちと共に協力したことはある。
ただ、「深棲ロボロボ艦隊」との戦いはそれとは全く異なる試練だと彼は感じていた。
一方、力を与えてくれた「艦娘」達。
彼女たちと共に守ったこの日常と浜辺の人達。
テイトは自分の身の回りの変化に気負いしながらも、何処か新鮮な気分でいた。

そんな中、勢いよく砂浜を走る男が一人いた。
…ダッダッダッダッダッダッダッダッ、ズザーッ!
「テイトッ!大変だ、親父を助けてくれっ!」
緑髪の青年が焦燥した顔してテイトが座っている監視台の前に駆け込んできた。
「バツじゃないか。いつものお前らしくないな」
「いつもとか関係なしに、今回はマジヤバイっすよ!」
「そんな事よりお前学校今日もさぼっているのか」
時間を鑑みれば、このちょっと身なりが適当な青年…『バツ』は学校に行ってない。
「そういうのは今はいいから!」
「そうなんすよ!漁業組合からの連絡っす!」
そう告げたのはバツの相方、コフィンバットの『キャスケ』。
言うや否や、トランシーバーから通信が入る。
「…ザーッ…こちら、ビーチ・デル・ソル漁業組合のタコハチでぇ!」
「今、バツから話を聞こうとしてた所だが…まさか?!」
「漁業に出たバツの親父さん、アンブの船が襲われているらしいんでぇ!」
「了解した。で、場所は?」
「座標位置はバツのせがれの相棒に伝えてある」
とトランシーバーの声を切ったテイトの頭にデータが流れ込んできた。
「転送完了っす」
テイトの真後ろに回り込んだキャスケがマグネウェーブを突きつけていた。
「電磁波で直接脳に送るのは痛いから普通にデータ送信してくれ…」
「親父と…親父の船の救出を頼む!」
両手をパンッと叩いてテイトを拝むバツ。
「お願いされずとも今すぐ助けに行くぜ!」
「出陣クマ!」「クマーッ!」
「クマおねぇちゃん!テイト!頑張って!」
バツとキャスケ、マールとメイに見送られ、現場に急ぐテイトとクマ。

海上を走り、バツの父アンブの漁船から放たれた信号の座標位置に向かっている最中。
光と共に掌から懐中時計型のメダラシンを取り出し、テイトは連絡を取った。
「フブキ!もうそろそろ追いつくか?」
「司令官ー!後ろにいますよーっ!」
テイトとクマの後ろから水しぶきをあげながら追いつこうとするフブキとトレミー。
「昼時に来てもらって済まないが」
「いえ、ロボロボ艦隊に漁船が襲われている一大事、ご飯も喉を通りませんよ!」
「ところでアカギはどうしたクマー?」
「……アカギさんは今もご飯を喉に通している最中だと思います……」
トレミーが残念そうな、いや、『しかたねーなアイツ』感漂う声で答えた。
「なんでや!」
「ツッコミ入れたいのは分かるクマ、でもあそこに煙が上がっているクマ!」
「あの船だな、急行するぞ!」

「ニンゲンノ 乗ル船、ニンゲンニ 加勢スル メダロットヲ 沈メル ロボ!」
ビーチ・デル・ソルの波止場で良く見る漁船が
ロボロボ艦隊のメダロット達から攻撃を受けている。
損傷してこの場から脱出できないどころか、船尾が若干沈み傾きかけている。
「アンブさん!救援に来ました!」
「おお、テイトか!それに嬢ちゃんたちも!」
返事をするねじり鉢巻きに船上活動用ジャケットを着こんだオジサン。
彼がビーチ・デル・ソルで漁師を営むバツの父アンブだ。
「今はアイツに守ってもらっているが、船がダメになった以上この場から動けねぇ」
アンブの傍らには必死に対空弾幕を対空弾幕で打ち返す、
コウモリガサ型メダロットのアンブルバットがいた。
「タケタチ、よく俺とこの船を守ってくれた!休んでくれ」
「テイトさん、艦隊のみなさんこの場を頼んます!」
タケタチは傷ついた両腕の羽根をたたみながらテイトたちにお辞儀した。
「フブキ、空中の敵を処理してくれ。俺は海上のイ級・ホ級を潰す」
「了解しました!」

「そーしたら、ここはクマの怪力にお任せクマ」
「海岸まで船の牽引とバツの親父とタケタチの護衛を頼むぞ」
宙に浮くベティベアは沈みはじめていた船尾を小さな左袖で持ち上げ、
船が海面に対してなるべく平行になるように傾きを直した。圧倒的重力パワー。
「それじゃアンブさん、揺れるかもしれないけど押していクマよーっ!」
船頭を両手で押しだしアンブの船を動かし始めるクマ。
「アーッ 獲物ガ 逃ゲテ行ク ロボッ!」
ズガガガガガガガッ!
「獲物はお前たちだ!」
船を追跡しようとしたゴーフバレット達をテイトは纏めて仕留めあげた。
「敵影多数視認!位置情報を送ります」
トレミーの複眼スコープによるレポートを受信するや否や、
海面から浮上したのはクラゲのような頭をした初見のロボロボ艦隊だった。
「いつもの黒タイツ魚人にこの前のホ級の他にまだ新手が来るのか!」
「黒タイツ魚人じゃないロボ!イ級って艦名がちゃんとあるロボ」
「お前にゃ聞いてないよ」
ズドゥズドゥズドゥズドォン!
テイトが撃ちこむより先にフブキの機関銃が火を噴いた。
「貴方たちに名乗る名前なんてない!…ふふ、ちょっと行ってみたかっただけです」
「そんな余裕かまけているとまた被弾するぞ…?」

とか言っていると案の定湧いて出たクラゲ野郎が、
頭の傘に隠していた豊満な肉体を武器にフブキに掴みかかってきた。
「きゃあっ!」
「受け身の体勢を取れ!」
テイトの脚部から三連装魚雷を射出する。
ズゥボボボボンッ!
「グオオオオオッツ!!」
魚雷は化け物暗黒クラゲの足元で爆発し、その隙に捕縛されていたフブキは脱出した。
「あいつは、いったい…」
「空母ヌ級様ロボ!」
「今度コソ 忌々シイ 艦娘ト 提督ヲ 捻リ潰シテクレル ロボ!」
空母ヌ級がけしかけてきたのは、クラゲ型メダロット『プルルンゼリー』。
クラゲ共はミサイルで出来た触手を前方に向け、導火線に火をつけた。
「サイロミサイル、一斉掃射ロボ!」
まばらに放たれるミサイルの弾幕。
「更ニ モウイッチョ! 艦載機 一斉発艦 ロボーッ!」
さらに空母ヌ級はおでこから小さなクラゲのような『艦載機』なるものを飛ばしてきた。
艦載機はミサイルの触手の合間を潜り抜けながら機関銃を放つ。
「司令官!2人では迎撃しきれませぇん!」
「トレミー!ミサイルだけ集中してターゲットロックしろ!」
「! はッ!」
「フブキ!トレミー!撃てーっ!」
ドォーン!ドォーン!ドォーン!ドォーン!
こちらの攻撃に合わせて壮大にミサイルが誘爆していく。
爆風はこちらにも被害が及ぶが、敵の艦載機とミサイルを両方処理しようとして取りこぼし、
攻撃を受けつづけるよりは、ミサイルと艦載機を巻き込んだ方がマシだ。
弾道をとらえることに長けたフブキとトレミーであればそれが出来る。
ズガガガガガガガガガガッ!
相手の攻撃がひと段落して爆風冷め止まぬ間に、射撃攻撃を繰り返すテイト達。
「やったか?」

「攻撃一辺倒 ナンゾ 甘イ ロボーッ!」
「ドレクライ 甘イカッテ 『隠シ味ニ キムチヲ 入レタ パフェ』 クライ 甘スギル ロボーッ!」
なんと空母ヌ級とプルルンゼリーは無傷である。いわゆるノーダメージってやつ。
「なにっ?!」
ヌ級とその他もろもろを体を張って庇っていたのはナース型メダロット「リリカルナース」。
「コノ 『駆逐イ級エリート』様ニ カカレバ 貴様ラノ 弱点ハ オ見通シ ロボーッ!」
「(…クッ)」
「そんなぁ!私と司令官の弾幕が何一つ効いていないなんて!」
「フブキ、あれは射撃ガードだ」
射撃ガード。ひとたびバリアを展開すれば大半の射撃攻撃を無力化する機能を持つパーツだ。
「貴様ラノ 艦娘ヲ 確認シタ所 皆 射撃ガ 得意ナ 機体ガ 中心ロボ」
「其処デ アノクマ野郎ガ 前線カラ 抜ケタ 所ヲ 見計ラッテ、コノ 頼リニナル エリートイ級様ヲ 呼ンダロボヨ~!」
雑魚駆逐イ級ロボロボ艦隊達がしてやったりと自分たちの作戦を喋り出した。
「肉弾戦ヲ 挑モウガ、 ヒョロッチィ艦娘シカ イナイ 貴様ラヨリモ コチラニ 分ガアル ロボーッ」
空母ヌ級が右手人差し指をクイックイッしながら挑発してきた。
「貴方の面をぶん殴るくらいなら私にだって…」
「やめろ、トレミー」
すぐ顔を真っ赤にするトレミーを静止するテイト。
「ここは相手の射撃ガードが切れるまでしのぐしかない」
「ソノトーリロボ! ダガ ソノ我慢ガ 何時マデ続クロボカ~?」
順次補填される駆逐イ級とその他大勢が武器を構える。
「総攻撃 第二波 イク ロボ!」

「モーちょっとクマ」
「でも流石に一人で押すのはきついクマ~」
一方そのころアンブを護衛しながら船を海岸まで押していたクマたち。
「嬢ちゃん無理するな、少し休めって」
「いや、今ここでクマが手を放したら船は沈んでしまうかもクマ。
合流した時点であれだけ傾きかけていたのだから応急処置も出来ないクマ…」
「親方、俺もこの船の一員です。手伝わさせてくだせぇ」
「タケタチ、おめぇ傷の方は大丈夫なのか?」
「スラフシステムである程度装甲は復旧してんでさぁ」
そう言いながらタケタチは船に合ったロープを手に…いや翼に取り、
アンブルバットの特徴ともいえる傘の取っ手のような脚部に括り付け、
ロープのもう一方の端をベティベアが持ち上げていた船尾に縛り付けた。
「ここまでお疲れさんです。ここからは私も一緒に持ち上げますよ」
「そんな!一人で出来るクマ。大船に乗ったつもりで休んでいるクマー」
「クマの方だけ人手が増えて楽クマーずるいクマ」
そう言い合いながらも、船を押すスピードが上がった矢先だった。

「逃ゲラレルカト 思ッテイタ ロボ?」
「……!!」
「深棲ロボロボ艦ッ!」
執拗に追いかけてきたのか、それともたまたま鉢合わせてしまったのか。
クマもベティベアもタケタチも身動きが出来ない状況で
装甲車型メダロットタンクソルジャーを率いた深棲ロボロボ艦隊につかまってしまった。
「ヌ級様ト イ級エリート様ニ 呼バレテイタ 途中ロボ ガ シカシ 好都合!」
「ココデ ミナ マトメテ 沈メテ シマウ ロボ~」
今ここでアンブの船から手を放したらまた沈み始めてしまう。
しかしここで戦わないと皆玉砕だ。
「……ここまでかクマ?」
最初こそ自信満々のクマも顔を曇らせる。その時だった。

――ほらほらぁ、まだまだ序盤戦ですよ?こんなところで湿ってちゃ――

バシャァーーーッツ!!

クマ達と深棲ロボロボ艦隊の間に大きな水しぶきが立ち昇った。
水しぶきが止むと同時にに深棲ロボロボ艦隊に向かって波がうねって飛びかかっていった。
「ヒョエーロボッ!」
「ズブ濡れロボヨーッ」
少しだけだが、ロボロボ艦隊はクマたちから見て向こう側に押しやられた。
そう。少しの余裕が出来た。

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「駆逐艦、オオシオです~!この場を切り抜けるのはお任せください!」
現れたのは飯盒のような煙突型の帽子をかぶったピッグテールの青い髪の女の子と、
白のアイパッチが愛らしいシャチ型メダロットの『モーダウォル』。
「新たな艦娘クマ!これはなんてツキノワグマー…じゃなくて、ツキがあるクマ!」
「ひょえー艦娘ったぁいろんな奴がいるんだなぁー」
驚くクマ達と感心するアンブとタケタチ。
「コンナ チッポケナ 駆逐艦ニ 何ガ出来ル ロボ! サッサト 沈メル ロボ」
大きな目に明るい笑顔のオオシオは一変。にらみを利かせた。
「小さな駆逐艦と甘く見ているなら…ぽかぽかしましょうかぁ?」
そう言いながら二連装の機関銃と四連装の魚雷発射装置を構えた。
「そーれっ!どーん!!」
機関銃を掃射しつつ魚雷の海中に沈めたオオシオ。
そしてモーダウォルが海面を蹴って大きくジャンプし、その全身を叩きつける!
するとオオシオとモーダウォルからロボロボ艦隊に向かって大波が巻き起こった。
ドバーン!ドバーン!ドバーン!ドバーン!
大波に反応し、大きな水柱をあげ爆発する魚雷。
「足元に来てないロボ?」「不発ロボか?」
大波に足を取られながら身動きが取れないロボロボ艦たち。
オオシオとモーダウォルは魚雷の爆発による水しぶきを陰にしつつ、
あっという間にロボロボ艦隊たちの懐に飛び込んでいった。
「ウェイブファング!」
モーダウォルの頭にある鋭く且つ細やかな歯がイ級ロボロボ艦の首を噛み千切った。
「バルカンナックル!」
負けじと至近距離での射撃でロボロボ艦率いるタンクソルジャーの装甲を突き破り、
「か~ら~の、オオシオキィーック!」
延髄斬りが炸裂した。勢い有り過ぎてサスペンダーが外れそうだ。
石油缶のような顔をしたタンクソルジャー達もアッと言うまにベコベコになってしまった。

「流石クマ!ロボロボ艦隊を蹴散らしているクマ!」
とはいえど駆逐艦一人でカバーしきれる敵の分量とは言えない。
「何とか船に近付かないようにしてるんですけどね~」
モーダウォルは両腕から水流砲を噴射し、ロボロボ艦隊を押し飛ばしながら答えた。
「もうちょっと私が強いか、もっと強い人が来てくれれば押し切れるんですけど」
そうオオシオが言った矢先である。クマが叫んだ。
「ちょうど『強い人たち』が来たクマ~!」
ザバザバザバザバザバザバザバザバッ…!!
「クマちゃん!」
「親父!」
オオシオたちの元に駆け付けたのは、遅刻してきたアカギと
アカギの体にジェットスキーを括りつけ乗ってきたバツ、バツにしがみつくキャスケの三人だ。
「あれ、見慣れない子がいますね」
「オオシオですッ!…あれ、そこのコウモリさん…?」
モーダウォルがコフィンバットのパーツをつけたキャスケを気に掛ける。
「『同じ属性を持つパーツ同士…』ちょっと力を貸してくれませんか?」
「親父を助けるためなら、手を貸すぞ!」
バツがバイクの上から答え、キャスケが戦場に飛び出していった。
「コウモリさん!その磁石で私を捕まえて飛びあがってください!」
「え?それは、どうやって?」
「キャスケ!エレクトウェーブ、マグネウェーブ最大出力だ!」
キャスケの両腕に組み込まれている電磁石が帯電し、
右腕にオオシオの背中の機関部、左腕にモーダウォルをがっちりと固定した。
「そのまま二人を持ち上げたまま飛べぇッ!」
「うおおおおおぉおおっ!!!!」
棺桶型のジェットエンジンを使って高速噴射、
あっという間に両腕にくっついてる二人が宙に浮かぶ。
「上空300mの高度から垂直に降下し、そのまま私たちを叩きつけるのです!」
「海面に接触する直前に磁力を解放し私たちをぶつけるのよ!」
「キミたちがイイっていうなら、どうなっても知らないぞ」

「な、何をするつもりロボ!?」
墜落にも等しい速度で垂直に落ちてくるキャスケとオオシオ達。
「高度200…100…50…30…今です!」
「磁力を切り離す!」
バチィバチィン!
電磁力から解き放たれたオオシオとモーダウォルが海面に叩きつけられる寸前、
コフィンバットのパーツによって体内に蓄積された電磁波が彼女たちを守った。
そしてオオシオの振り上げた拳が海面に接触すると同時に、
モーダウォルの両腕から水流の軌跡も見えない高水圧砲が放たれた。
すると、彼女たちを中心にして爆発が起こり、
ロボロボ艦隊に向かって、一発大波が発生した。
「ナンジャコリャア! ロb…!!」
叫びにもならない言葉を言い切る前にロボロボ艦隊たちは大波に包まれ、
波の中でオオシオが放った魚雷の爆風の餌食になっていった。
3人が放った嵐の後にはロボロボのロの字も残らなかった。

「これが『タイダルウェーブ作戦』です!」
自らの爆発で服をボロボロにしながら、オオシオは胸を張っていった。
「ビッグウェーブだったぜ…」
余りの大波にマリンバイクは転覆し、バツはしがみついて一部始終を見ていた。
「オオシオちゃん、もうちょっとこっちのことも考えてクマー!」
「死ぬところだったクマ!アカギが居なかったらこっちも転覆してたクマ」
アカギはバツのマリンバイクを切り離して、クマと共にアンブの船を支えていた。
「それじゃ私は提督の所に向かいますね」
「え、アカギは船押してくれないクマ?」
「まだ、彼とフブキちゃんは前線で戦っています、早く追いつかないと!」
そういって全速力でアカギはその場を離れていった。
「じゃあ、オオシオ、君もこの船を押して行ってほしいクマ」
「はい!お任せください!」
「あ、あと俺と俺のマリンバイクもちょっと引っ張ってくれよ」
「……バツ、お前まーた学校さぼったんか」
「うるせぇ、今はそんな事どうでもいいだろ!」
「どうでもよくはない!……まぁ、そのなんだ、ありがとな」
「ふん」
そんな親子の様子を見ながら、クマとオオシオは少し笑い、
再び船を海岸に向けて押し始めた。

ドドドッ!ドドドッ!ドドドッ!
ズバァーンンッ!ズバァーンンッ!ズバァーンンッ!
「防戦一方だ…!」
「射撃ガードの合間に攻撃しかけているはずなのに、あまり効いていない?」
ホ級とプルルンゼリー、イ級エリートとリリカルナースを中心に、
その他もろもろの混合編成艦隊に苦戦するテイト・フブキ・トレミーの三人。
「攻めあぐねている間に、自己修復ロボ!」
「継続リペア…!」
リリカルナースの役目は射撃ガードバリアの展開だけではない。
放熱中に右腕の聴診器を当てパーツ装甲に眠るナノマシンを活性化させる信号を送り
スラフシステムを戦闘中でも安定動作させる継続リペア機能を使っていた。
相手の戦力を削りきれていないのはそのせいでもあった。
「ロボトルモ 戦争モ 攻撃ダケジャ ヤッテイケナイ ロボ!」
「補給、ダメージコントロール 有ッテコソ 勝利ガ 見エルロボ!」
「ト言ウワケデ 第五波状攻撃 用意ロボ! ファイアーッ!」
テイトの前に五度襲い掛かるミサイルと弾幕。
ズガガガッズガガガガガガガガッ!
「(!?撃ち損じた!)」
「司令官危ないっ!…かはぁっ!」
テイトの前に割って入ったフブキの腕にミサイルが突き刺さる。
勢い付いたミサイルはフブキのみならずテイトをも突き飛ばした。
「二人とも!」
左腕が破壊されたトレミーも迎撃能力が低下したところをさらに被弾する。
「サァ ツープラトンデ トドメ ロボーッ!」
満身創痍のフブキ・トレミー組に接近戦に持ち込もうとするヌ級とプルルンゼリーのタッグ。
「(やられる!)」


――これ以上はやらせねーよ!――

バシィッ!
迫る黒お化けクラゲの前に立ち顔面をぶん殴る拳一発。
ドゴォッ!
くにゃくにゃしたミサイルクラゲの腹に赤い頭突きが入る。
真正面からの不意打ちを食らい転覆するヌ級とプルルンゼリー。

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「フブキに手を出した敵はどいつだぁ!」
「同じ第11駆逐隊としてこのミユキ様が加勢するぜ!司令官!」
「…ミユキちゃん!」
口調とは何処か荒々しいがフブキと何処かしら似ているの女の子…ミユキと、
トレミーと同じテントウムシをモチーフにしたメダロット、レディバガーの姿があった。
「フブキの知り合いか?」
「知り合いも何も、むかーし一緒に同じ隊にいたんですよ」
「まぁこう言う本格的な戦闘は初めてだけどな!」
笑いながらフブキに言葉を返すミユキ。
「ミユキ、ぜひとも俺達に力を貸してくれ!」
「様をつけろ様を!!ちょっくら特攻してくるから援護を頼むぜ!」
イ級エリートに向かっていくミユキ…様とレディバガー。
「接近を許すなロボ!さっきの奴と同型艦なら装甲も大したことないロボ!」
猪突猛進の二人を襲う弾幕。テイトは全力でそれを撃ち返していく。
「さんきゅー提督、これで決めるぜ!」
「いよおおっし!いっくぞぉおおっーッ!」
「「ミユキスペシャルエクストラロボトルテクニック!!」」
バリアを張るリリカルナースの元まで接近し、
雄たけびを挙げ、ミユキとレディバガーはパンチを繰り出した!
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴォッ!
ミユキとレディバガーによる高速パンチのラッシュ。
その連撃はバリアを突き破り、リリカルナースのかわいらしい全身に七つの拳の傷跡をつけた。

「い、言うほど痛くないロボよ!この程度の傷なら継続リペアで…」
イ級エリートロボロボ艦は言い返す。が自らの体の異常に気付いた。
「あ、あれ?おかしいロボ?ナノマシンが作動しないロボ?」
「フッ、お前はもう何も出来まい」
「司令官、フブキ!ありったけを喰らわせてやって!」
「わかった、ミユキちゃん!」
ボロボロながら立ち上がり銃を構えるフブキとトレミー。
「何度撃ってこようが無駄ロボ!射撃ガードがある限り…!ってあれ?」
「お前のバリアは変動症状ですぐには使えないはずだぜ、イ級エリート」
「手こずらせてくれたな!」
ズガガガガガガガガッ!
テイトの号令と共にフブキ・トレミーの射撃攻撃が繰り出される。
なすすべのなくなった、イ級エリートとその他雑魚は全身に被弾する。
「く、クソーッ! だが、相手は手負い、やり返すロボ!」
貰った一発を返すべくホ級が右手を、
もう一発を決めるべくミユキが右手を突きだした。
お互いの頬をえぐり合うクロスカウンターだ。
「いってててて…」
ホ級との間合いを取り直し、切った唇から出ている血を左の拳で拭うミユキ。

「後はまかせてください」
「ご飯を食べていて遅くなりました」
「アカギ!?やっと来てくれたのか!」
やーっとテイト達の元に駆けつけたアカギとアークビートル。
「第一次攻撃隊、発艦してください!」
赤城の右肩の航空甲板から放たれる小さな艦載機たち。
ホ級の放った艦載機とすれちがいながら、敵陣に向かっていき爆撃する。
「そしてエクスプロード、イグニッション!十字砲火です!」
ミユキ・フブキ・テイト達に向かってくる敵艦載機には
アークビートルのゴリ押し弾幕で打ち落としていく。
「アカギにおいしい所喰われてたまるかぁ!」
「はいっ!」
レディバガーは負傷したトレミーを担ぎ、移動砲台として雑魚イ級ロボロボ艦を沈めていく。
「いいなぁアレ、あたしたちも真似しよっか?」
「メダロットじゃない私たちがやっても効率よくはならなさそうだけど…」
身軽な艦娘同士を担いでもまぁデカい的にしかならないし当然か。
「コイツでトドメだ!」
バシュバシュバシュッ!ドッグォオオオン!
テイトの魚雷がホ級とイ級エリートの真下で炸裂する。

「これで、片付いた…か」
「敵勢勢力沈黙、これ以上の攻撃はしなくてもいいと思うぜぇ~」
ミユキが腕を伸ばして欠伸し報告した。
「皆ご苦労だった、クマたちの様子を確認しだい帰投しよう」
「船を押していたクマちゃんとオオシオちゃんならもうそろそろ、ビーチ・デル・ソルに戻ったんじゃないかしら」
「ん、オオシオ?だれだそりゃ?」
アカギは船を押していたクマたちの身に起こっていたこと、
自分がここまで来た経緯について簡単にテイト達に伝えた。
「…ミユキちゃんとオオシオちゃんが来てなかったら危なかったんですね」
「私が船を押して、肉弾戦も出来るクマちゃんがここで戦っていればよかったのかなぁ」
フブキが自分のミスかのように呟いた。
「…あのイ級が言ってた通り、俺の判断ミスだったかもしれない。だが、アンブさんの船をなるべく早く港に戻すには力持ちのクマが最適だと考えた」
テイト自身も言い訳をつけながらも自分の采配を反省した。
この言葉に更にしょげるフブキ。だがテイトは続けた。
「あれだけの弾幕の中で生き延びれたのは、フブキのおかげだ」
傷ついたフブキとトレミーの手を取ってテイトは感謝の言葉を述べた。
「あの時庇ってくれてありがとうな」
「フブキ、司令官、お熱いねっ!」
「ほほえましい光景ですね」
そんな様子をちょっと離れた立ち位置で見ていたミユキとアカギ。
それに対してフブキとテイトが突っ込む。
「アカギさんがご飯食べるのを一旦止めて一緒に来てくれれば…」
「ココまでの被害を出さずに処理できていたんだが…」
「まー、あたしがこうやってまたこの海に帰ってこれたし、いいんじゃない?」
その時メダラシンを通してクマたちの声が聞こえてきた。
「提督ー!アンブさんの船の護衛輸送完了したクマ」
「みなさん、ご無事ですか?」
「テイト、そして嬢ちゃんたちのおかげで何とか生きて帰ってこれたぜ!
御礼としては何だが早く港に戻って一杯やろうじゃねぇか!」
クマ、アンブ、そしてテイト達は初めて聞くであろうオオシオの声だ。
「みんなも待っている。早く帰投して体を休めよう」
「……はい!」

――救援任務の中で新たに出会った艦娘、オオシオとミユキ。
ますます賑やかになるテイト達の周りだが、
新たな戦力の登場と同時に戦闘も激化していくことを示唆していた…!――
(第三話終わり)


pixiv版にはメダロットの機体解説や登場人物について本作独自の解釈を入れた
解説を追加しているので、ブログ版にも何か追加しておこうと思ったので特設コーナー

★セルフ反省会会場★
一つ!前回は誤植や表現のおかしい所がたくさんあった!
例えば「現に日本の現状はよろしくない」とか!
二つ!今回、挿絵が無いのは
「『pixiv小説において1ページに使える挿絵引用は1枚まで』と言う仕様を知らなかった」!
そのため、外部リンクと言う形で配置している。お手数をおかけします。
次回からは挿絵使用を想定した画像サイズ調整と配置を考えておこう…
三つ!今回、一セッションが長い!
出来る限りコンパクトにまとめて場面を切り替えていきたい。

★なんでこうなんです会★
フブキ:「なんでトレミーなんですか?」
 →メダロット・naviの同名キャラクターが使う機体だから
アカギ:「なぜアークビートルなんですか?」
 →赤い。火力がある。青色の加賀との対比に使える。アークビートルの存在が慢心そのもの。
クマ:「なぜベティベアなんだクマ」
 →メダロット・naviの同名キャラクターが使う機体だから
オオシオ:「なんでモーダウォルなの?」
 →『大潮→潮の動きがデカい→ビッグウェーブ』、あと漁に関係しそうなウェーブ系の奴を選定。
  あえてマリンキラーにしなかったのは名前から敵として出す可能性があったため。
ミユキ:「なんでレディバガーなんだ?」
 →フブキがトレミーなので、吹雪型は基本的にテントウムシ型で統一です。
マール:「なんでマールはまーるなの?」
 →MARだから。pixiv版で真北マールが本名になっていますが、
  真北→まほく→マフォークと言う事。メイティンのメイは説明不要。二人でマーメイド。
バツ:「なんでバツなんだ…?」
 →BATだから。pixiv版で古森バツが本名になっていますが、
  古森→こもり→蝙蝠と言う事。キャスケはキャスケット→棺と言う意味です。○と×と言う対比もあります。
  アンブはそのまま。アンブルバットのタケタチはタケタチ→竹立→笠→傘。

フブキ「万が一質問があったら、コメントくれたら対応するかもよ!」
アカギ「ここの解釈おかしいんじゃないんですか?と言ったツッコミも問題ないそうです」
テイト「構ってかよ…」


今回はココまで!

次はちょっと間を開けます。

2014/11/14
しらすうます
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